歯周ポケットの深さで分かる歯周病リスクと治療法
「歯周ポケット」という言葉を、歯科検診やテレビCMで聞いたことはありませんか?実はこの歯周ポケット、歯周病の進行度を示す重要なサインであり、お口だけでなく全身の健康にも大きく関係しています。放置すると、歯を失うだけでなく心臓病や糖尿病などの全身疾患のリスクまで高めてしまうことがあるのです。
今回は、歯周ポケットとは何か、歯周病認定医による専門的な治療・予防方法についてご紹介します。
歯周ポケットとは?
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にできる“すき間”のことです。プローブという目盛りの付いた細い器具で歯周ポケットの深さを測定します。
歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を測る重要な指標です。
健康な歯茎では、このすき間は1〜2mmほどしかありません。しかし、歯垢や歯石がたまり歯茎に炎症が起きると、歯茎が腫れ、少しずつ奥に向かって深くなります。これが歯周病の始まりです。3mm以上は要注意、4mm以上は歯周病治療が必要です。
歯周ポケットの奥は歯ブラシが届きにくく、細菌が繁殖しやすい環境です。炎症が進むと、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯を失う原因になります。
全身への影響
歯周病はお口の中だけの病気ではありません。歯周ポケット内の細菌や炎症物質が血流に乗って全身に広がると、次のような疾患リスクが高まります。
- 心筋梗塞や動脈硬化
- 糖尿病の悪化
- 脳梗塞
- 低体重児出産・早産
- 骨粗鬆症
- 認知症の進行
特に糖尿病との関係は深く、歯周病を治療すると血糖コントロールが改善するケースもあります。
当クリニックの歯周病治療と予防
当クリニックでは、歯周病認定医の院長が丁寧にサポートします。
1.スケーリング・ルートプレーニング(歯石除去)
歯周ポケット内の歯石と細菌を徹底的に除去します。
2.ブラッシング指導
患者さんの歯並びや生活習慣に合わせた磨き方をご提案します。
3.定期検診とメンテナンス
3ヶ月に1度を目安に歯周ポケットの状態を確認し、再発を防ぎます。
スケーリング・ルートプレーニングを行っても歯周病の症状がなかなか改善しない場合は、患者様とご相談の上、歯周外科処置を行うことがあります。また、歯周組織再生療法を行うことも可能です。
まとめ
今回は、歯周ポケットとは何か、歯周病認定医による専門的な治療・予防方法についてご紹介しました。
歯周ポケットが深くならないようにするには、歯周病の早期発見・予防がカギです。見た目や痛みがなくても、ポケットが深くなっていることがあります。「最近歯茎が腫れやすい」「歯を磨くと出血しやすい」「口臭が気になる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳しくは歯周病治療ページもあわせてご覧ください。